そろそろパッチングに疲れて来たので(謎)、今回はVCV Rack 2をインストールすると最初から利用出来るVCVブランドの無料版モジュールのみで、何か簡単なパッチングをやってみよう的な感じです。
使用出来るブランドが1種類のみ、その中から無料版として利用出来るモジュールが49種類。最終アウト用のAudio出力系モジュールは1基しか使用しませんし、MIDI系モジュールは全く使わないので実質的には37,8種類ほどの中からモジュール選択する感じとなりました。
あぁ、モジュール選びが楽なのは正義だ、良い事だ、そして楽だ。。。
VCV Rack 2 : VCV brand Free Modules Sound
まずは、最終アウト用のミックスに4ch仕様の〝VCA Mix〟と決めたので、全部で4つの音(フレーズ)を作ってみよう的なところからスタート。
少し考えたところで、ちょっとマズい事に気付く。
VCVブランドの無料版だけだと、Gate生成系モジュールが弱いのと、それと関係もするのですがクロック系が弱いなという印象。
例えばマスターになるクロックは速めに設定しておいて、クロックディバイダー系モジュールで幾つかに分割した後に、それぞれのクロックを基にしてGate生成、という事をしたいと思っていたのですが、ちょっとそれが出来るモジュールが無い、な、、、と。
さて、どうしものか。
うーん、、、モジュール一覧を眺めながら考える。
で、、、お?、と閃く。
リアルなモジュラーシンセだったら、絶対にやらない方法。無駄にお金が掛かる方法も、ソフトウェア版ならプライスレスだ(違)
8ステップのシーケンサー〝SEQ 3〟を複数使って、多段型にして徐々にクロックを落とす感じにすれば、所謂クロックディバイダーになるじやないか、と。
その結果、4音のフリーズ作るパッチングに、意味不明な7基もの〝SEQ 3〟を使用する事に。ちなみに、直接フレーズや音程に関係する〝SEQ 3〟は2基だけです(爆)
いやぁ、贅沢ですなあ。
問題も解決したところで(ホントか?w)、完成したパッチング風景がこちら。
【 使用モジュール 】
VCV
・ADSR EG x 5
・Audio 2 x 1
・CV Mix x 3
・Delay x 3
・Gates x 5
・LFO x 2
・Mix x 1
・Noise x 1
・Octave x 1
・Quantizer x 2
・Random x 3
・SEQ 3 x 7
・Sample & Hold Analog Shift Register x 1
・VCA x 4
・VCA Mix x 1
・VCF x 4
・VCO x 2
・Wavetable LFO x 1
・Wavetable VCO x 1
■ 1段目
8stepシーケンサーの4連星(違)ですが、一番左がマスター・クロックの役割りで、全ての音の中で一番テンポが早い音(5段目)を基準にしています。そから右のシーケンサーへクロックを渡して、トリガーを1つ飛ばしにON/OFFして半分のテンポを作り出してます。その半分のテンポから更に右のシーケンサーへクロックを渡して、またトリガーを間引きする事でテンポを落として、更に更に4つ目のシーケンサーへ渡して、またトリガーを間引き。
これで4つのシーケンサーそれぞれで、左から徐々にテンポが遅くなるクロックを作ってる感じです。
クロックディバイダー系モジュールが使えれば、1モジュールで出来るわけですが、今回は物量作戦です(笑)
なので、この4つのシーケンサーは、4つのクロックを作り出す為〝だけ〟に利用しています。
■ 2段目
2段目から実際の音に関するパッチングです。
この2段目は、1段目の左から3つ目のクロックに合わせつつ、そのクロックの中でランダムに音が鳴る感じにしています。
また基本的に8stepシーケンサー〝SEQ 3〟はトリガーしか出せない為、〝Gates〟モジュールを使って、音を鳴らす為に利用するトリガーをGate信号に変換して、Gateの長さも変化させられるようにしました。これは2段目から5段目まで、全ての音でやっています。
そして、この2段目の音は前回に紹介したPingサウンドっぽい事の簡易版?をやっています。
■ 3段目
3段目は、1段目の一番右端の〝SEQ 3〟、一番テンポを遅くしたクロックで動いてます。
この3段目にある2基の〝SEQ 3〟で、実際の音程と音の鳴るタイミングを作り出しています。1つ目の〝SEQ 3〟が音を鳴らすタイミング。と同時、その〝SEQ 3〟のテンポ(1段目より更に遅くなっている)を2つ目の〝SEQ 3〟に渡して、音程変化に使用しています。
なんとなくPad系っぽい何か、というイメージです。
後はランダムに〝Wavetable VCO〟の波形を動かしたり、という感じです。
■ 4段目
4段目、左から2つ目の〝SEQ 3〟からのクロックで、この4段目の〝SEQ 3〟を動かしてます。
ベースラインっぽい感じというか、ここも前回に紹介した〝ベースラインとキックを1音色で作り出す〟と似たようなパッチングをしています。キックのようには聞こえさせていませんが、4段目の〝SEQ 3〟からの音程と〝ADSR EG〟からの信号を、〝CV Mix〟で上手くブレンドしつつ、エンペローブが引っ掛かる感じを出してみました。
■ 4段目
同じく4段目の一番右側、2基のモジュールが、最終Audioアウトとなっています。
〝VCA Mix〟で4つの音をミックスした上で、〝Audio 2〟よりサウンド出力しています。
Audioの最終アウトを〝VCV Audio 2〟としています。使用されるPCのAudio環境に合わせて、〝VCV Audio 2〟の設定をして下さい。上部、黄色い文字をクリックすると、PC側のAudioアウト一覧が出ます。
■ 5段目
1段目の一番左側の〝SEQ 3〟、一番早いクロックで5段目を動かしてます。
ハイハットと言うか、ちょっとパーカッションっぽい何か、みたいな音です。
〝Noise〟を音源にしつつ、〝Random〟を使用しつつ、ランダムなタイミングで更に〝Sample & Hold Analog Shift Register〟でランダムなCV信号を追加生成しつつ、トリガーからGate信号に変換する際の、GateのON/OFFの長さを少しランダムに動かしつつ、音量用の〝ADSR EG〟のリリースも動かしつつ、みたいな感じで常に音の鳴る長さや音色変化が連続で発生する感じにしています。
Audioの最終アウトを〝VCV Audio 2〟としています。使用されるPCのAudio環境に合わせて、〝VCV Audio 2〟の設定をして下さい。上部、黄色い文字をクリックすると、PC側のAudioアウト一覧が出ます。
とりあえずこんな感じです。
VCV Rack 2 : VCV brand Free Modules 24step Sequencer
1つの基準となるクロックから、複数のクロックを作り出す為だけに8stepシーケンサー〝SEQ 3〟を4基(クロック専用で言うと5基か、、、)も使う、という意味不明なパッチングでしたが、オマケで意味のある〝SEQ 3〟を4基使用したパッチングです(笑)
一番左の〝SEQ 3〟がマスタークロックの役割りと同時に、残り3基の〝SEQ 3〟を順番に直列に並べて『24step』シーケンサー化する為の役割りを持っています。
【 使用モジュール 】
VCV
・ADSR EG x 1
・Audio 2 x 1
・Gates x 1
・Octave x 3
・Pulses x 1
・Quantizer x 3
・SEQ 3 x 4
・Sequential Switch 4 to 1 x 2
・VCA x 1
・VCO x 1
左から2〜4つの〝SEQ 3〟が、直列に繋がった合計24stepシーケンサーとになっています。
左から2〜4つの〝SEQ 3〟のCVを〝Sequential Switch 4 to 1〟のINに上から順番にパッチングします。
更にもう1基〝Sequential Switch 4 to 1〟を使用して、今度は左から2〜4つの〝SEQ 3〟のTRIGを同じくINの上からパッチングしていきます。
それぞれ〝Sequential Switch 4 to 1〟のスイッチは〝3〟(真ん中)にしておきます。
(トリガーに関しては、やはり〝Gates〟に一旦パッチングしてGate信号に変換してから、〝ADSR EG〟にパッチングしています。)
次に、一番左のマスター扱いしている〝SEQ 3〟のTRIGボタンの、1〜7stepはOFFにして、8step目だけON,にしておきます。その上でTRIGアウトから、2基の〝Sequential Switch 4 to 1〟へ、それぞれパッチングします。
これで何が起こるかというと、マスター扱いになっている〝SEQ 3〟の8step目が来たらトリガーが出力されて、2基の〝Sequential Switch 4 to 1〟に信号が伝わります。
〝Sequential Switch 4 to 1〟は、トリガーを受けるたびに、INに入力されている信号を、上から順番に切り替えて行きます。
なので8step毎に、左から2〜4つの〝SEQ 3〟の信号が、順番に切り替わって出力される仕組みになります。
これで結果として24stepシーケンサーが完成、というわけです。
このように何か信号を受ける毎に〝条件〟が変化するような機能は、モジュラーシンセならでは、だと思います。一般的なシンセには、あまり見掛けない機能ですよね。そもそも〝音〟と何ら関係ない機能ですし(笑)
この機能を応用すれば、色々な条件やタイミングで、特定の信号だけ選択したり、フレーズや音色を条件毎に変化させたりと、新しいアイデアに利用出来ると思います。
P.S.
〝Pulses〟は、一旦全体をリセットしたい場合にボタンを押す為のモジュールとして用意しているだけで、基本的に本篇の内容とは関係ありません。
引き続き、動画を撮ったりして記事をアップしようと思います。。。(遠い目)
VCV Rack関連の記事は以下にまとめています。
以下の記事はモジュラーシンセ全般の記事から、幾つかピックアップしています。
にほんブログ村
コメント