ムスタファ・スレイマン / マイケル・バスカー
『THE COMING WAVE AIを封じ込めよ』
(日本経済新聞出版)
ビル・ゲイツ氏が選ぶ「2024年冬のホリデーシーズンに読むべき本」に興味があったので選んだのですが、ビル・ゲイツ氏に見事に騙されました。。。

全体の三分の一ほどまで読んだところで、「これは失敗かも」と。
最初の第一部ぐらいまでは、それなりに面白く、また興味深く「こういう視点で現代のAIを見るのも、、、」という感覚で読み進めていたのですが、第二部に入ってから、途端に「ちょっと読み進めるのはしんどいな」と思い始めて、第二部まで読んだところで一旦、離脱しました。
別の本を読み終えたところで、面白いと思えない本を無理して読むのも、時間の無駄だしなぁ、勉強でも仕事でもなく、あくまでも娯楽として本を読んでいるので、と思いつつも、とりあえず流し読みでもいいからと、次から次へページをめくる感じで、最後のページまで〝眺める〟レベルで終わらせました。
なんだろうな。
基本的に全章、似たような事を言い回しを変えながら、延々と書き連ねている印象で、第一部を過ぎた後、「なんで同じ事を何度も書いてんだ」っていう感覚になったんですよ。
と同時に、現代のAIって、現在進行形で技術が圧倒的に先へ進んでいる状況でしょう。それを踏まえて、具体的に社会と個人の繋がりだったり環境だったりが、どう変化して、何がメリットでデメリットは何か、という〝目の前で発生している事象〟という体感が、読んでいて全く得られなかったんですよ。
これが、現代のAIが登場する以前に発売されていた書物なら、これはこれで成立していたと思うんですけど。
まあ、著者がマイクロソフトの中の人だったりもするので、ゲイツ氏も推したんでしょうけど。
Deep Mind 創業者としては、正直、かなり期待外れでした。
そういう意味では、現代のAIの世界では、とっくに〝過去の人〟なのかもしれませんね。
見開きページで、数個の単語しか目に入らない程度で、どんどんページをめくって最後まで辿り着いたのですが、最後の結論の方でも、なんかこう書いてる内容の印象が、、、
『根性論』
、、、みたいな感じで、それ、IT業界の先頭を走る人間の言うことか、考えることか、という。。。
もうちょっとこう、ロジカルに未来予想して、人間のとるべき行動も、澱みなくロジカルに書いて欲しかったなとは思います。
そんなわけで、所謂『現代のAI』の話は、ほとんど書かれていません。
居酒屋に行ったら、知らないおっさんの「IT自慢話を聞かされた」、という程度の本です。
P.S.
一つだけ評価するとすれば、上杉隼人さんの翻訳は読みやすかったです。
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