MOOG

ドキュメンタリー映画、「MOOG」のDVDを購入しました。
シンセサイザーという電気信号を音に変える装置を作り、ただ作るだけではなくミュージシャンが使える楽器として発明したシンセサイザーの父、故・モーグ博士の半生を描いたドキュメンタリー作品。
モーグ博士自身の沢山のインタビューと貴重な映像、Moog使いの有名なミュージシャンの登場と、とてもシンセサイザー好きには魅力的な作品です。


私は元々、音楽が大嫌いでした。
小学生の頃は、授業を抜け出して凄く怒られた経験があるぐらい。
それが、高校生になって何を思ったか吹奏楽部に入って、ホルンなんか吹く事になって。
ろくに人の作った曲を聴く事さえしてなかった人間が、いきなり演奏する側になっちゃった。
でも面白かったですね。
合奏で色々なパートが重なっていく感じと、そこには色々な理屈があって。その頃にシンセサイザーを使う機会があって、初めて触った。
楽しかったねぇ、いろんな音が出るんだもん。
それもね、モノマネじゃない音。
ピアノでもない、トランペットでもない、コントラバスでもない、まだ世界中で名前の付いてない音が出る。
ちょっと設定を変えれば、、、極端な言い方をすれば、その音は世界中で今、この瞬間だけ存在している名前の無い唯一の音になる。
そんなこんなで、今はずっとエレクトリックな音ばかり出して、音遊びしている。
シンセサイザーを目の前にして、直ぐに鍵盤を触ってしまう事に、凄く勿体ないと思う。
鍵盤は音程を付けるコントローラーにしか過ぎない。
結局、シンセサイザーを使った演奏といっても、ピアノやオルガンと同じように演奏している。それでは、絶対にピアノの方がカッコイイ。
そんなのばっかりだから、観ても聴いてもつまらない。
色々なシンセ系の情報サイトを観ていても、「こんな音の出るシンセありますか?」という質問が多いんですけど、たぶん、そういう音は、どんなシンセサイザーを購入しても、ゼロから音作りできるなら簡単に出せるはずなんですよね。
でも、音作りする人って、あまりいないんじゃないかなぁ。。。
RolandのV-Drumを叩いている人も、ほとんどが普通の生音系のドラム音を出している。
「だったら、生のドラムセットでいいじゃん」って(笑)
そんなに演奏という行為が大切なのかな、とは思う。
そんな事より、自分の頭の中でしかありえない、オリジナルの音を1つでも一瞬でも出す方が、より音楽的だと思う。
シンセサイザーは唯一、個人個人の頭の中で鳴っている、まだ世界の誰もが出した事の無い音色を作れる楽器だと思うし、それは最高の音楽的な楽器だと思う。
今年、2005年、モーグ博士は永眠された。
あらためて、御冥福をお祈りします。

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