「地球シミュレータ」というスーパーコンビューターがあります。
ここのブログでも、何度か話題にしました。
NECが中心となって開発されたスーパーコンピューターで、2002年から2004年までの2年間、コンピューター大国・アメリカを抑えて、“世界最速最強コンピューター”の称号が与えられたコンピューターでした。
今は、IBMの「ブルージーン」が世界一の座にいます。しかし、地球シミュレータも世界第7位(2005年11月時点)の能力を発揮している、日本が世界に誇る強力なコンピューターである事は事実です。
久々に、この「地球シミュレータ」の話題を目にする機会がありました。
2月18,19日と二夜連続放送されたNHKスペシャル「気候大異変」で、「地球シミュレータ」の演算結果を基にした100年後の仮想地球を再現し、これからの温暖化による自然への影響を検証する内容でした。
「地球シミュレータ」は、その名のとうり、開発当初から地球環境の研究が目的でした。
新聞等のニュースで、断片的に「地球シミュレータ」が世界の海流の動きを完全再現できた、、、とか、そういう話題は知っていました。
この番組では、それら「地球シミュレータ」がこれまでに上げた来た実績を基にして、100年後の地球を地球シミュレータ上に再現してみせるというもの。
100年後の仮想地球を再現する上で、キーになっている数値は二酸化炭素の量。
このシミュレーションでは京都議定書が100%実行された上に、更に人類が効率良くエネルギーを消費した場合という、今、考えられる最良の方法を取った場合、が条件になっていました。
で、、、日本はこんな感じだそうです。
1月は紅葉の見頃、冬らしい冬の無いまま、5月には海開き。
夏は6〜11月、35度を超える真夏日は7〜9月の約100日間。
梅雨前線は8月末まで西日本に居座り、特に九州・四国は洪水の被害が多発、逆に東北は水不足で乾燥化が進む。
青森の名物はリンゴからミカンに変わる。
カトリーナを超える台風が日本に襲来、最大瞬間風速80m、1ヶ月の雨量をたったの2時間たらずで降り注ぐ。でも、東北はやはり深刻な水不足に悩まされる。
熱帯特有の感染病が、沖縄と九州南部に上陸。
北海道では作物の増加が期待できるが、それ以外の地域では全て減る。
世界的に見ると、こんな感じになるらしい。
平均、4.2度の気温上昇。
2070年には北極の氷が全て消滅、海面が1メートルちかく上昇。
海面上昇で住める土地を失う人、世界で2億5,000万。消滅する国も出てくる。
北欧を除くヨーロッパ全土で、頻繁に熱波が発生。
温暖地域でのハリケーン誕生。
アマゾンの森の半分以上が砂漠化、ヨーロッパの地中海地域も砂漠化。
、、、等々。
まー、どれ一つとっても良い話題が無い事といったら、、、という具合です。
あくまでも「地球シミュレータ」が現在のあらゆる自然現象を数値化した上で、二酸化炭素の量を100年後の数値にした場合の、一つの結果でしかない。
何処か別の数値を0.1変えるだけでも、全く違う結果が出てくる事も確かですから、この結果は単なるおとぎ話なのかもしれません。
でも、一つ印象に残ったのが、進行役の博士(名前、忘れちゃった、、、)の言葉。
「100年後の人類が、“あの時(現代)の現象”が異常気象の始まりったんだな、と言う事になるでしょう」
、、、という台詞。
2004年、日本には次々に台風が上陸しました。同じ年には夏の平均気温が21度というフランスに35度を超える熱波が来ました。
2005年には大西洋の温暖地域で観測史上初のハリケーンが誕生し、アメリカも最大級のハリケーンが飛来しています。
去年末からの東北の大雪にしても、さて、どうなのでしょう。
京都議定書とは別に、EUは2050年までに二酸化炭素50%削減という、思い切った数値を掲げましたが、アメリカや中国から大きな反発が出て頓挫しています。
京都議定書の5%削減さえ、アメリカは拒否して参加すらしていません。
地球からしてみたら、人類が存続するか滅びるかなんて、どーでも良い事なんだろうな、と。
それどころか、地球って星自体、有っても無くても、自然の世界からしてみれば、とるに足らない話なのかと。
なーんか、寂しい気持ちになりますねぇ。。。
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