はい、早速ではありますが「ハンニバル・ライジング」を観て来ました。
えっと、タイトルの“カニバリズム”については、検索等で調べてやって下さい。
さてさて、以下にネタばれ感想でも(^^;;
まず、、、
当たり前の事なんですが、これまでの前三作品のうち、とりあえず一つでも観ていないと、ほとんど面白く観れないというか、「ハンニバル・ライジング」を、ただの怖い単品映画としか観れない感じになってしまうと思うので、ここは一つ名作と言われる「羊たちの沈黙」は観てから、この「ハンニバル・ライジング」を観る事をお勧めします。
このハンニバル・レクター博士が主人公の“ハンニバル”シリーズは、所謂スプラッター系の映画では無いですし、サイコサスペンス系でもありません。
元々、実際にあった異常犯罪の数々がベースになっている作品なので、とても現実的に描かれています。
今回の「ハンニバル・ライジング」は、精神科医で天才にして芸術家であり、殺人にも美徳を求め人肉を食らう、狂気と化したレクター博士の青年時代を描いたストーリー。
幼少の頃、第二次世界大戦の中、家族を亡くしてしまう。そして、生き残った妹もナチス軍に殺されてしまう。それも、食料が無く危機的状況下で、ナチス軍によって食料として食べられてしまうという悲劇が起こる。
人が人肉を食べる行為は、実際に起こってきた事で、それはタブーな話とされ公にされる事はほとんど無い事ではあるのですが、日本でも第二次世界大戦下、亡くなった日本兵の人肉を、同じ日本兵が食べる事件が発生していたりします。宗教的であったり、快楽であったり、生きるためであったり、その時代時代で、実際に人肉を食べる行為はあったようです。
日本人女性レディ・ムラサキと出会い、過去の忌まわしい記憶から逃れられるかもしれない、束の間の平穏な生活が最初の殺人で一変する。
そして、医学生となったレクターは、妹を食べた人間への復讐を実行する。
一人一人探し出し殺していく中で、レクター青年の中に眠っていた忌まわしい記憶が鮮明に蘇り、クライマックスで衝撃の事実を知る事になる。
あの日、妹が殺された日。
レクター少年は、、、自分も知らないままに妹の肉を食べていたという事実。
その事実を知った時、レクターは狂気の人の形をした悪魔と化してしまい、人肉に食らいつく。
観ていて感じたのが、、、実際にこういう異常犯罪を犯す人って、確かに精神異常で病気と判断される場合が多いのでしょうけど、中には現実世界もハッキリと理解していて、自分や他人の存在も認識出来て、現実と自分との世界への接点もあって、凄く知能指数も高く、精神異常で病気だとは判定出来ない事例があるらしくて、正しくレクターはそういうキャラクター。
幾ら言葉や映像で、そういう設定を視聴者に伝えようと思っても、そもそも、そういう事をしてしまう人間の世界観と、普通に暮らしている人間の世界観では、最初の基準から違うわけですから、なかなか理解出来ない。
今回の「ハンニバル・ライジング」は、あえてその部分を描こうとしている作品。
個人的には、妹の肉を自分も食べていたという核心部分は、もう少し早い段階で出して、その後の自制出来なくなっていき狂気と化す部分を、もう少し深く描いて欲しかったなぁ、、、とは思う。
あと、レクター青年を事情聴取したポピール警視との会話。このシーンは、過去のハンニバル作品を観て来た人には、ちょっとゾクゾクするシーンでしたね。
レクター博士は精神科医であるので、人に対する接し方が独特で、まるで誘導尋問から洗脳するかの如く、彼に質問しているつもりが、いつの間にか質問される側になってしまうという、一対一で会話を続ける緊張したシーンが、過去の作品でも多く登場します。今回も、その片鱗を感じさせるシーンが少しだけですが登場するわけです。
分かってる人は、ゾクゾクして、きっと“ニタッ”とするでしょう。
スプラッターでもオカルト映画でもありませんが、こういう天才なのに異常犯罪を起こす人間が現実にも存在するという、そういう側面を感じさせてくれる映画には違いありません。
過去のどの“ハンニバル”シリーズよりも難しい設定だと思うのですが、良く作られた作品だと思いました。
さてさて、、、もし次回作があるとすれば、、、「ハンニバル」のラストシーン、、、アジア方面に向かう??飛行機内のシーン、そして今回の「ハンニバル・ライジング」で登場した日本というキーワード。
さてさて、、、どうなりますやら。
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