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テクノを語る(1)で熱く語っていた、Underworldと並ぶ、UKテクノ界のドン、ハートノル兄弟のOrbital、2nd.アルバム「Orbital II」(通称、「ブラウン」アルバム)。
なぜ、「通称、、、」という言い方なのかというと、彼らの1st.アルバムは通称「グリーン」アルバムと呼ばれていて、実は1st.&2nd.アルバムには正式なアルバム・タイトルが存在しないのです。
さて、私はCD&12inch(アナログ盤)を含めて、テクノに分類されるディスクを500枚以上は所有していますが、その中で「No.1は?」と問われれば、このアルバムを即答するでしょう。私だけではなく、テクノ好きな人達の間でも10本の指に入るアルバムとも言えるぐらい、テクノという音楽ジャンルに多大なる影響をもたらしたアルバムです。
まず、音が良い。これは本当にビックリしました。パッとCDをかけた瞬間、スピーカーから飛び出して来たシンセサイザーやリズムマシンの音が、とてもクリアーなんです。こんなにシンセサイザーの音ってカッコイイんだと、再認識しちゃいました。これはOrbitalがシンセサイザーに対して卓越したセンスとレコーディング技術の技でしょう。そして圧巻なのは1993年当時としては珍しい、ノンストップ・ミックスをやってること。
今でこそ、DJのノンストップ・ミックスCDは沢山ありますが、90年代初めに自分達のオリジナル曲をアルバムの中でノンストップ・ミックスやってのけたのは、圧巻です。Orbitalが作ったダンス・トラックとしては最高峰の3曲目♪Lush 3-1から4曲目♪Lush 3-2、5曲目♪Impact、6曲目♪Remindと4曲30分の怒濤ノンストップで迫って来ます。Lush 3-1でシンプルなシンセサイザーとリズムで始まり、最後のRemindではフロアで踊ってる連中を叩きのめす圧倒的な迫力で迫って来ます。別々の曲でありながら、まるで“テクノ組曲”ともいえる仕上がりになっています。
ちなみに、RemindではRoland TB-303の音が登場します。TB-303使いの王者として登場するドイツのテクノ・ユニット「HARDFLOOR(ハードフロア)」より以前に、Orbitalがやってしまってます。
UKで大ヒットしたアンビエント・テクノ、9曲目♪HALCYON(ハルシオン)の別ミックスバージョンも収録。
打ち込みによるサウンドが、どうしてこんなにも有機的なんでしょう。
テクノは打ち込み、コンピュータを使った、無機質な音楽と言われます。
しかし、このアルバムを聴くと、それは誤解だと分かるはずです。
テクノこそ、とても有機的で人間味溢れる、作り手の「音」がリスナーの体に、ダイレクトに伝わる、唯一無比のサウンドなんだと。
(久々にアルバムを引っ張りだして聴いているので、かなり興奮してます、御勘弁を)
ぜひ、2つのスピーカーを出来るだけ離して、大音響で聴いてみて下さい。部屋の中がシンセサイザーの大洪水となることでしょう。
P.S.2004年でOrbitalの活動休止ということで、ベスト・アルバムと最後のフル・アルバム「Blue Album」が用意されています。
始めてテクノ聴いてみたい、、、という方には、このベスト・アルバムを凄くお薦めしますよーっ!!!
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Orbital Web Site
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