ライプを「ライブ」と意識し始めたのは、実は今年になってからの事。
それまでの約10年間、RMS音楽教室関連の「発表会」や「ミニ・コンサート」という形で、年に1,2回程度、人前で演奏をする事はやっていました。また、音響関連の仕事をしていた時期があったため、舞台慣れみたいな感覚もありました。もちろん、演奏者として直前の緊張は大いにありましたけどね(^^;;
しかしながら、音楽教室の中での演奏という事で、どうしても内輪的感覚があったりしたのも事実です。
それが今年になって、内輪では無い、不特定多数の方々に観て聴いてもらう環境で、一人の出演者としてやらなくてはいけない場面がやって来ました。
5月のG.W.、b_tさん主催の「bpm3」というイベントでした。
b_tさんとは去年のシンセフェスタで、「京都でテクノ系イベントをやっているので、ぜひぜひ」、、、という感じで声を掛けて頂いたのが最初でした。
もちろん、私は素人同然なので、声を掛けて頂いた事は凄く嬉しかったのですが、ライブ出演のお誘い話は、半分冗談というか、そんな感覚で捉えていました。
しかし、それが現実の話になったわけです(^^;;
これは、ちゃんとしなくては。
自分の出来る事、色々とやらなくては。
ラップトップPCにネタを仕込み、リズムマシンを回し、モジュラー・シンセも使う。
誘ってくれたb_tさんの期待にも答えたいし、もちろん来て頂いたお客さんにも、ホンノ少しでも何かしら伝われば、、、と。
しかし、実際の本番はボロボロでした。
少なくとも、私の中では「駄目すぎ、、、」というものでした。
機材にトラブルがあったわけでもなく。
音が途中で止ったわけでもなく。
頭の中が真っ白になったわけでもなく。
でも、どうにも駄目な気分だった。
ただ、やるべき作業をこなしていただけだった。
b_tさんにも、申し訳ない気持ちが凄くあった。
このイベントには主催者であるb_tさん、そしてCUBE(K5)さん、RAKASUさん、Kaseoさん、N&Nさん等が出演された。N&Nさん以外の方は、初めてお会いする方ばかりだし、もちろん初めて聴くライブ。
凄かった。特に強烈なインパクトだったのが、RAKASUさんだった。色々なセンサーを使った即興ノイズを奏でるパフォーマンスだった。
突き抜けていました。
私のやりたい事は、これなんだと、ハッキリ伝わって来る。
自分は、ただ闇雲に「ちゃんとしなくちゃ」とか、「あれもやって、これもやって」と、ただ、そういうことばかり考えていた事に気付いた。
そうじゃなくて、ライブまでして、人前まで出て、「自分は何をしたいの?」、「自分は、どんな音を出したいの?」と。
普段、自宅で曲作りしてるわけですね。
しかしながら、ちゃんと音楽の勉強をして来たわけでもなく、ただ好きなアーティストの音とか楽曲とかを、真似ているレベル。まぁ、曲作りと言うにはお粗末なレベルだろうと思います。
この前に聴いた曲、、、さっき聴いた曲、、、あんなのいいねぇ、こんな音もカッコイイねぇ、、、と。
あっちフラフラこっちフラフラしながら曲を作ってる。
曲を作るだけなら、そんな程度でもOKなんだと思うんです。レベルは別にして。でも、ライブとなると、そうわいかない。
、、、という事を「bpm3」で痛感したんですね。
そもそも技量も無いのに、アレコレ出来るわけがない。
そんな事しても、ただ作業をこなしているだけで、とてもライブにならない。
5月末、フェイターンさん主催の「Synthe-kai」に誘われて、こちらでもライブする事になった。
「bpm3」のような感覚になっては駄目だ。どうすればいいだろう。。。
元々、去年のシンセフェスタがあって、こんなふうにお誘いを受けるようになったし、沢山の方々と出会えた。
あの時、モジュラー・シンセだけで音を垂れ流し、出たトコ勝負だった。私自身、そんな行為は演奏だと思って無いし、音楽的だとも思っていません。
でも、こういうのが好きなんですよね。
ならば、この「Synthe-kai」でも、やってしまえばいいじゃないか、と。
用意したのはモジュラー・シンセだけ。ただひたすら黙々と、モジュラー・シンセをイジリ倒す。
来て頂いていたお客さんの大半の方々には、「???」という感じだったとは思うのですが、自分の中では少しですけど、手応えみたいなものがありました。
7月、突然、YMOイベント「YMN2」のお誘いを受ける。
YMO楽曲に参加して、ほとんどブッツケ本番だったので大失敗もしたけど、前向きな失敗だったので凄く楽しかった。個人的にも「Synthe-kai」同様のライブもさせてもらった。
この時、同じく出演していた西田彩さん、CUBE(K5)さん、そしてたまたま仕事で関西に来られていて、遊びに来ていたCue!さんのお三方が、何の打ち合わせもなく「セッションしましょう」と、シンセで即興ライブを披露された。これが凄く刺激的だった。こういう感覚でライブを自分もやれたらいいなと、そんな感じだった。
8月、マコフェイ2nd.アルバム「AIR」レコ発ライブに参加させてもらった。
ソロより数倍、緊張するね、、、(^^;;
私の機材が機材だったので、勝手気侭に音を出させてもらった。「Synthe-kai」のようなフルセットのモジュラーは用意出来ないので、1ユニットに最低限のモジュールを詰め込んでました。出来る事は更に少なくなったけど、そのぶん妙に自由な感覚もあった。
10月、「プログレ決戦」ライブを聴きに行った。
出演していたバンドの中で、THE SUNの西村くんがシンセサイザーのLFOという機能を使って、うにょうにょ音のパフォーマンスをしていて印象的だった。プログレ大好きで、速弾きテクニックの西村くんなのに。後で聞いたら、私のやっていた事をヒントにしたとかで、、、なんかね、こういうの、嘘でも(笑)嬉しいですよね。自分のやってる事なんて、そんな大した事やってないと思ってるから、、、
11月、Le Placard Kyoto!!にライブで出演した。
1ユニットのモジュラーとリズムマシン。自分の中では「bpm3」と「Synthe-kai」の中間的イメージ。今回は、事前にある程度のやる事を決めておいて、その上で半分即興的にやってみようと。前半はアンビエント、後半はリズム入ってノリのある。もう一つ、「もし自分がカフェでライブするなら」というコンセプトが裏にはあった。まだまだデキは全然だったけど、これも自分なりの手応えを感じる事が出来た。
出演者の中で、シンセ1台だけで即興された山口さんや、ギタ−で即興された西田彩さんのライブは、やはり色々と感じる事が多かった。
11月末、東京まで「どすえ5」ライブを聴きに行った。
中でも、やはり刺激的だったのは、西田彩さんとCue!さんの即興ライブだった。ただならぬ緊張感と、それをのみ込む癒しのアンビエント。他の出演者の方々も個性的で素晴らしい演奏だった。東京まで行って良かったと思う。沢山、エネルギー貰った。
Cue!さんが「YMN2」の時の私を観て、「ああいうの、初めて観たよ」って。「凄く面白かった、今回の即興ライブも、うにょさんの観ていて、シーケンサー回していたら駄目だなーって(笑)」。
これも、ホント、嘘でも(しつこい(笑))、嬉しいです。
そして12月。
implant4さんの忘年会上で、ちょっとしたライブをする予定になっています。
あくまでも忘年会なので、そんな改まって、、、というものでもなく、とってもユル〜イ感じの。
でも、やっぱり、「今回は、こういうアイディア、入れて」とか、そういう事は考えようと思ってます。あと「Synthe-kai」と同じくモジュラーのフルセットでやろうとは思ってます。
ええ、垂れ流しますよ。延々と、、、(笑)
、、、と、まあ、そんな感じで。
「自分のやりたい事、出したい音」、ちゃんとそこにピントを合わしていかないと、ライブは駄目だな、と。アレもやりたい、コレもやってみたい、、、という誘惑を削ぎ落とす勇気が必要だなって。
特に電子音楽の世界は、技術革新で次々に新しいハードウェア、ソフトウェアが登場する。
誰かが、そういうものを使うと、「あぁ、自分も使ってみなくっちゃ」とか、どうしても思ってしまう。でも、そんな事していても、みんな同じ音になってきちゃう。更に、自分が本当にやりたい事、出したい音に近付くならいいけど、遠ざかるようなら無理して、そんな流行りに乗る必要も無いんだよね。
また、これからも機会があれば、ライブに出てみたいと思う。
少しずつ、ピントの合ったライブが出来るようになれば、いいな♪
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