先日の日曜日、妻の妹さんが出演する演奏会に行って来ました。
秋篠新進演奏家シリーズ 8
「秋篠ユング・ムジカ ジョイントコンサート」
奈良は西大寺まで。
どうしても邦楽コンサートは、なかなか人が集まらない。
尺八や琴、三味線のコンサートと言っても、ピンと来る方は少ないのが事実。
しかしながら、そこそこ中堅クラスのホールに7,8割ぐらいは、お客さんが入ってるだろうか。
いい感じです。
第一部が、その高須理恵さん出演の部。
♪千鳥の曲
高須理恵さんの尺八と、岡崎さんの琴と歌が入る。
岡崎さんの琴は何度か聴いているけど、楽曲ごとはもちろん、場面であるとか、アンサンブルであるとか、その時の「役」に応じた幅広い演奏が出来る人なんだなぁ、、、と音を聴いていて思う。
その上で、高須さんの尺八が浪々と鳴り響く。
凄く音が良い。
演奏が上手いのはもちろんなんだけど、尺八の中音域のふくよかさと、琴の繊細さがハッキリ聴き取れる。
そして、圧巻だったのが2曲目。
♪現代鈴慕
流儀の違う尺八演奏家にして人間国宝の二人が作曲した、とても現代曲的に難解な曲。
高須さんと、男性で米村鈴笙さんという、二人の尺八での演奏。
曲の形は存在しているけども、たぶんステージ上では、「即興」に限りなく近いやり取りがされていたはず。
その緊張感は、こちらにも伝わって来る。
完全に時間が止まりましたね。
素晴らしいです。
最後は、
♪吾妻八景に基づくfantasy
高須さんの尺八、岡崎さんの琴、更に平田紀子さんが三味線で加わる。
最後は少し軽やかに、流れるように進む。
第二部は、福田可織さんのピアノ。
がらりと洋楽、クラシックの世界になる。
ピアノは、、、ちゃんと観なかったのですけど、たぶんスタン・ウェイだったと思う。
なんかねー、響きは私の好みじゃなかったなぁ。
妙に弦の音が強調されて聴こえるというか、、、♪げえぇぇん、、、みたいな音ね(笑)
アタック感が弱くて、♪げえぇぇん、、、が大きい、、、みたいな。
ホールの響きが問題なのか、弾き方なのか、そのあたりは素人の私には分かりませんけど。
バッハの曲は、もっと起伏を付けて欲しかったなぁ、とは思いました。
そもそも、バッハ自身が起伏すぎる起伏な人でしょう?(笑)
面白いよね。
一つのステージで邦楽と洋楽を聴き比べる事が出来る。
洋楽は、良くも悪くも「曖昧さ」を許さない。
楽譜に書かれている音符は絶対であり、1音を抜かしても付け加えてもいけない。
そして、作曲者の意図も絶対。
演奏家は、自分自身の個性以前に、作曲者を理解し、音符を理解し、音を出す事が絶対条件として求められる。
絵画でいうと油絵とかですよね。
邦楽は、逆に「曖昧さ」が許されているように思う。
「曖昧」と言っても、適当とか、作曲者の意図とか楽譜を無視するとかね、そういう意味じゃないのですけど。
落語とかもそうですけど、師匠から耳で聴いて伝わるっていう、そんな文化があるでしょう。邦楽の世界も似たような事があるようで、そもそも楽譜が存在しない古典楽曲も多いわけですし、楽譜といっても漢文のような体裁。洋楽の感覚では、とても読めないわけですし、そもそも音階がドレミファじゃない。
「場の空気」を、その時の演奏に取り入れる事が凄く求められていると思う。そういう意味で、「曖昧さ」が必要なのかなと思ってみたり。
こっちは水彩画っぽいよね。
次回の大きな演奏会は、6月に東京であります。
「折り鶴」
日時 : 2009年6月18日(木)
18時30分開場 / 19時開演
場所 : めぐろパーシモンホール
前売 : 2,000円 / 当日 : 2,500円
出演者 : 岡崎 敏優(生田流箏曲)
櫻井 咲山(都山流尺八)
高須 理恵(琴古流尺八)
平田 紀子(生田流箏曲)
守 啓伊子(長唄三味線)
チケット(お問い合わせ) : ensemble_orizuru<アットマーク>yahoo.co.jp
※<アットマーク>部を「@」に変換して下さい。
女性だけの邦楽グループとして、「折り鶴」というグループ名と演奏会で活動しています。
たぶん、オリジナル曲も演奏するんじゃないのかな?
邦楽の演奏会なんて、聴きに行った事が無い人の方が多いとは思いますが、たまにはどうですか?
宜しければ、演奏会に行ってみて下さい。
P.S.
最後は、岡崎さんの琴とか荷物を楽屋から車に運んだり、ちょい力仕事にかり出されました(笑)、、、、えーと、この琴、400万ですか(^^;;
コメント
この度は演奏会に来てくださってどうも
ありがとうございました!!
これからも邦楽がもっといろんな方々に楽しんで
いただけるよう精進してまいります♪
これからもどうぞよろしくお願い申し上げます。
>高須理恵さん
お疲れ様でした。
1曲目の琴とのバランスは絶妙だったと思います。
音が気持ち良かったですから。
そして、やっぱり2曲目は凄かったですよ。
イロイロと裏話もあるようですが(笑)、あのテンション
とか、状況とか、そういう緊張感は「音が良い」とか「
演奏が上手い」とかを超越したところですから、凄いイ
ンパクトがありました。
こういうのは、絶対にCDとかで聴いても体験できない、
生演奏ならではですよね。
また次回も頑張って下さいね。