「海峡を渡るバイオリン」の感想など

なんだか音楽ネタなのと、楽器職人のドラマという事で面白そうだとは思っていたのですけど、朝日新聞に「ラストが圧巻」などと紹介されていたので、「おう、ラストが凄いのか」と単純に期待して、観てました(^^;;
独学で世紀のバイオリン「ストラディバリウス」を作ろう(超えよう)とした、実在のバイオリン製作者“陳昌鉉”氏の半生を描くドラマ。1976年にアメリカ国際バイオリン・ビオラ・チェロ製作者コンクールにて、バイオリン・ビオラ・チェロの音響と細工の全6種目中5種目でゴールドメダル受賞。
ドラマのラストは、この授賞式だった。
3時間という長いドラマのうち、このラストはほんの10分程度。後は数奇な運命と苦悩が延々と描かれている。


最後の授賞式直前まで、ドラマは苦悩する陳昌鉉氏を描いている。さあ、これからどうなるんだ、“東洋のストラディバリウス”と言われる名器を作り出す道のりは、、、というところで陳昌鉉氏が過去の自分を思い出す場面で暗転し、いきなり1976年の授賞式へとストーリーは展開される。
それまでの苦労の連続をフッ飛ばすかのような、この劇的な展開には、観てるこちらも、「ああ、凄い」と。授賞式で盛大な拍手を受けるシーンでは、観てるこちらも拍手したくなる気持ちまで持って行ってくれる。
なるほど、朝日新聞が「ラストが圧巻」と書いていたのはこの事か。このラスト10分のために、今までの2時間50分のシーンが延々とあったのだなぁ、と。それが少しずつ盛り上げていくんじゃなくて、その過程を消し去って、一気にラストへ繋げるこの落差は、主人公である陳昌鉉氏の波瀾万丈の人生を正しく物語っているようで、素晴らしい。
陳昌鉉氏が製作したバイオリンとビオラで演奏されたアルバムもあるみたいですね。ちょっと興味がそそられます。

コメント

タイトルとURLをコピーしました