小川糸
『ツバキ文具店』
(幻冬舎文庫)
切っ掛けは、某受信料局で放映された同小説を原作としたドラマを観た事でした。
TVついたままで、そのタイミングで観た、という偶然的な出来事で、事前にツバキ文具店がドラマ化になるとか、何一つ知る由もない状況。っていうか、そもそもツバキ文具店も作者の小川糸さんも、全く知らなかった。
そもそも、、、
もそもそちゃいますよ?
そもそも、ドラマ自体、あまり観なかったりするので、偶然も偶然。
偶然だとしても、受信料を払わなくてはいけないほどの偶然。
なんたるコトか。
普段なら興味も無いし、直にTV消すとか、そんな事をするはずが、なんとなく観始める。
すると、妙に気になって観続ける。
90年代中盤あたりから自分のホームページをHTML手打ちで作り始めて、当初から日記のページを更新していたり、その後にプログのようなシステムが登場してからはレンタル系や自前で用意して更新を続けて、今はSNSのようなサービスと併用する形で書き続けているわけで、基本的に文章を書くのが好きなんですよね。
自分でホームページ等を始める前は、パソコン通信や所謂〝草の根BBS〟時代なわけですけど、その頃も活動はしていたし、更にそれ以前でも知り合いの作る会報誌に原稿書いてたり、パソコン繋がりで知り合った人達とは、普通に手紙でやり取りしていました。
そう、けっこう手紙を書いていた。
30年以上前の手紙とか、まだ少しは残っているはずで、それこそ主人公の鳩子さんに手紙供養をお願いしないといけない気分になる。
文章を書く時、素人ながらも流れや印象の起伏とか、考えてしまう。そういった部分は、どうしても【代書屋】とリンクしてしまい、妙に気になってしまう。
そして、登場人物達のスローライフ感(笑)が、たまらない。
以前にアップした記事、〝おっさん一人カフェ〟のように、カフェのような空間で寛ぐのは好き。
とりわけ珈琲やら紅茶に精通しているわけでもなく、好きだけど特に拘りがあるわけでもない。
ただ、カフェのような空間で、ちゃーしばきながら、ゆっくりする。そういう時間を持てる感じが好きだったりするので、登場人物達が近所のカフェや飲食店舗での何気ない日常も、リンクしてしまう。
あと、近所を歩いて巡れる範囲の日常、と言うのも良い。
自分が住んでいる街、蒲生四丁目(通称、がもよん)も、この5,6年で新しい店も増え、横の繋がりを持って街を盛り上げよう、という動きがあって、何かと居心地の良い街に変貌して来た。
地元愛っていうほど大袈裟な気持ちも無いけど、わざわざ小洒落たカフェでランチやディナーする為に繁華街へ出なくても、地元でも十分に時間を楽しめる店が増えた。
そんなこんなで色々とリンクするというか、琴線に触れる? ような要素が多かった。
で、それならば原作も読んでみよう、と。
ずいぶん前に本屋で見掛けていたものの、なかなか買うタイミングを逃していた。
去年、久しぶりに雑誌以外で本を買ったりして、また良い本があったら少しずつでも読み始めたいな、的な気分が盛り上がっていたところで、とある本屋さんに行った時にツバキ文具店が平置きされていた。
「あれ、新書でも無いのにな」
と思いつつ、手にとる。
キラキラ共和国、という続編も出ているらしい。
あらら、それはそれで気になる。
これは買え、ってコトか。
という感じで、目出度くツバキ文具店を読み始める事になった。
本は好きだけど、特に読み進めるペースが早いわけでもないので、のんびり読むか、と。
原作を読み始めると、随分ドラマとの印象が違った。
1つ1つのエピソードは比較的忠実に原作をなぞってはいるけど、ドラマの方が起伏を大きくした演出になっているように思う。先代と主人公との確執も、ドラマの時ほど強い印象が原作には無い感じがする。原作の方が、淡々と主人公の日常が過ぎて行く
【代書屋】としての顔も、ドラマではメインの要素として描かれていた印象だったけど、原作は重要ではあるが、あくまでも要素の一つ、という位置付けのように感じた。
まあ、アレコレ書き出すとネタバレになるので。
そうそう、あとドラマで登場する、〝はーたん〟。
守景陽菜(モリカゲハルナ)ちゃん、名前からしてあだ名が〝はーたん〟なのは直に理解できるのですが、原作では〝QPちゃん〟と呼んでいる。見た目が、キューピ…だかららしい。
文字にすると「QP」だけど、台詞で言葉にすると「キューピー」になってしまう。
色々と大人の事情でもあるのだろうか?(笑)
鎌倉はねー、一度だけ行ったかな。20年ちょい前、まだ結婚する前だったな。
大仏さまを観たぐらいの記憶しかない。
原作には実在のお店も幾つか出て来るので、鎌倉ブラブラ巡りしたいねえ。
そんなわけで、次は続編の『キラキラ共和国』を買いに、週末は本屋さんへ行くかな。
『キラキラ共和国』も既に読み終えているのですが。
ちなみに、『ツバキ文具店の鎌倉案内』という、小説に出てくる実在の場所やお店を紹介した本もあったりします。
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