ランダム性の拡張
これは、なかなか難しい選択。
そもそも選択出来るモジュールが多いですし、一言で「ランダム」と言っても、様々なスタイルやコンセプトの上でのランダム性なので、自分にあったタイプをどう選ぶのか。
現状、明確にランダム性を持つモジュールとしてはDoepfer〝A-149-1 Quantized/Stored Random Voltages〟(Buchla〝Source of Uncertainty 265/266〟を再現したモジュール)と、Erica Synths〝Pico Rnd〟(これはまあ、どちらかと言えばLFO的に使う事が多いのですけど)、Mutable Instruments〝Peaks〟のクローンでAfter Later Audio〝Baker〟(こちらもランダムっぽい事は出来るけど、基本はエンベローブとLFO)ぐらい。
さて、ランダム性の強化として、A-149-1とBakerは残すとして、どうするか。
と言っても、全体で考えるとランダム性に追加出来るモジュールは1基ぐらい。
そこで、Xaoc Devices〝Zadar〟を考えみました。
Zadar自体はエンベローブ/LFO的モジュールで、複雑な信号を出せるとはいえランダム性は薄いモジュールです。
個人的に思う事なのですが、A-149-1やPico Rndのように、モジュール1発でランダム的な信号を出せるモジュールが沢山あっても、ちょっと使い難いというか、逆に出番が少なくなってしまう、という印象なんですね。
最近では凄く複雑でランダムな信号ながら、一定の条件下でコントロール出来るタイプもあるわけですけど、そうなってくると本当にランダムというか(笑)、だったら「私」要らなくね?、っていう。
と同時に、複雑すぎるのも使ってて面白く無い、というか。
ある程度は単純化されたモジュールが複数集まって、そこから色々なパッチングのアイデアで元々使用しているモジュールに無かった機能というか、結果を導き出す面白さがモジュラーシンセにあると思っているので、その最終結果がモジュール1発で答えが出てしまうのは、ちょっと勿体無いと思ってしまう、貧乏性なのです(爆)
そして、ランダム性を考える時、その1つのランダム信号だけを見ても、ただランダムなだけで、「で?」という印象で終わってしまう。
そこに逆の規則性のある信号との対比で、ランダムの面白さが際立って来ると思うのですね。
そう考えると、必ずしもランダム系モジュールだけが、ランダム性を生み出すだけではないと。
幾つかの信号のアンサンブルの中で、対比があってこその、ランダム性かな、と。
出音とかも、音が鳴っている部分に対して、しっかり休符を意識的に作ってあげるとか、そういう部分は意識してやってる感じです。
知らんけど(笑)
モジュール単体では複雑なランダム信号が作れなくても、Zadarのような多チャンネルのエンベローブ/LFOで、色々な“ずれ”を作り出して重ねたり、他のLFOのような規則性のある信号と対比させたりして、最終的に耳に聴こえるサウンドの中で、ランダム性を感じれば良いので、モジュール単体としてのランダム性はA-149-1ぐらいにしておいて、後は規則性を持ち合わせた個性的なタイプを選択して、最後は自分のアイデア次第、というハードルを上げる選択をしてみました(笑)
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