大塚康生 改訂最新版『作画汗まみれ』

5.0
Book

大塚康生
改訂最新版『作画汗まみれ

(文春ジブリ文庫)

1956年、日本動画映画株式会社(通称、日動)にアニメーターとしてテスト採用された後、本格的な国産アニメーション制作会社として誕生した東映動画(現、東映アニメーション株式会社)に、第一期生として入社。
日本最初のカラー長編アニメーション作品『白蛇伝』に携わり、故・高畑勲監督初の長編作品の監督デビューとなった『太陽の王子 ホルスの大冒険』(この作品に、スタッフの一人として新人だった宮崎駿監督が参加している)、宮崎駿監督の初TVアニメーション監督作品となる『未来少年コナン』、同監督の劇場アニメーション初監督となった『ルパン三世 カリオストロの城』では作画監督を担い、数々に日本アニメーション制作に関わってきたアニメーター、大塚康生さんの自伝本。

日本アニメーション黎明期から故・高畑勲監督や宮崎駿監督の先輩として関わってきた彼等の新人時代、TVアニメーションの幕開けから、スタジオジブリの誕生へ。
日本アニメ界の〝生き字引〟、大塚康生さんが語る制作の裏側とアニメーターの真髄。

考えてみれば、自分の好きなTVアニメーション作品だと『侍ジャイアンツ』(魔球ブームのアレですねw)とか『未来少年コナン』は、大塚康生さんが作画監督だったんですよね。
劇場版でも『ルパン三世 カリオストロの城』も凄く大好きで、やはり作画監督が大塚康生さん。
大好きなアニメーション作品は色々とありますが、要所要所の作品で必ず、大塚康生さんが作画監督だったり、原画だったり、キャラクターデザインにレイアウト等、何かしらの部分で携わっている作品を好きになっている事が多い。

大塚さんが東映動画時代に、新入社員として入って来たのが、高畑勲監督や宮崎駿監督なわけで、彼等より先輩なんですからね。そう考えるだけでも凄いですよね。

TVアニメ時代になってからの故・手塚治虫さんとの関係も面白い。
アニメーションという作品の捉え方が全く違う。
TVアニメに押されて、劇場版という長編作品の制作が難しい〝冬の時代〟から、再び復活するまでの苦闘。

今や制作の大部分をCG(またはフルCGアニメーション)と組み合わせて制作する時代。セル画アニメーションから現代への橋渡し的な、現場の第一線として活躍してこられた大塚康生さんからのメッセージが沢山と込められていると思います。

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