新しく、〝Oscillator〟(以下、VCOと略)モジュールを追加します。このモジュールは単体でも動くモジュールです。
〝SQ〟モジュールから、新たに加わった〝VCO〟モジュールにパッチングします。
凄いですね、親分〝LFO〟モジュールは〝SQ〟モジュールにしか命令を出していませんが、〝SQ〟モジュールは〝VCO〟モジュールと2つの〝EG〟モジュールに命令を出しています。
更に〝VCO〟モジュールから〝VCF〟モジュールに、〝VCF〟モジュールから〝VCA〟モジュールにとパッチングします。
さあ、これで音が出るパッチングの完成です。
「これで、どうして音が出るの」
「どんなふうに、音が出るの」
と気になってしまうと思います。
が、何度も書いてますけども、その辺りは重要ではありません。
お気になさらず、個々のモジュールの意味がわからなくても大丈夫です。
重要なのは、やはり『親』と『子』の関係です。
〝誰が(どのモジュールが)〟、〝誰へ(どのモジュールへ)〟に命令を出しているのか。
ここが一番重要です。
この辺を理解し始めると、後は実際に使うモジュールの機能を覚えるだけで、色々な関連付け、即ちパッチングを思い浮かべていく事が出来ると思います。
さて。
最後に完成したパッチング<図6>ですが、1つ重要な事があります。
既に色分けされていますが、青色ラインのパッチングと赤色ラインのパッチングです。
ここで復習、その3、です。
モジュラーシンセには、大きく分けて2種類の信号があると書きました。
今回のパッチングで色分けした、青色パッチングが『耳に聴こえない信号』の流れで、赤色パッチングが『耳に聴こえる信号』となっています。
なので、モジュラーシンセで音を出したいのであれば、この赤色のパッチングだけを見ていけば、音を出す事は可能でもあるのです。
極端な話、以下の画像のような事だけで音を出す事は可能になってしまいます。
でも、これでは、まず音楽的な変化を出す事は難しいでしょう。
そこで、青色のパッチングが必要となってくるわけです。
この<図6>を眺めると、耳に聴こえる音のパッチング、即ち赤色のパッチングは2本しか使っていません。
それに比べて、耳に聴こえない音のパッチング、青色のパッチングは3倍の6本も使っています。
モジュラーシンセのライブや動画を見て、「あの焼きそば、一体、何が、どうなってんだYO!!」と思うぐらい、沢山のパッチケーブルが絡み合っていたりしますが、その実態を紐解いていくと<図6>のように、耳に聴こえる音そのもののパッチングは、意外とシンプルなのに対して、耳な聴こえない音のパッチングの方が、より複雑で沢山のモジュールとパッチングで構成されているというわけです。
<図6>の場合、青色のパッチングで音楽的に聴こえるようにする為の命令を色々と作り出しています。
そうやって作り出された信号を、赤色が通るモジュールに繋いで、最終的に耳に聴こえる音に変化を付けて、音楽的に聴こえるようにしています。
縦軸と横軸みたいな考え方で見ても、良いかもしれません。
赤色の横軸に対して、青色が縦軸になっていますね。
この図6は、基本的な1つの音を音楽的に聴こえるようにする為のパッチングをイメージしています。
実際のライブ等では、より沢山の音が同時に奏でられていると思います。
と言う事は、<図6>のようなパッチングが幾つも組み込まれている事になります。
更に、それらの組み合わせ同士もパッチングされていて、相互作用な状態になっているかもしれません。
こうなってくると沢山のモジュール、何十本のパッチケーブルが必要になり、あの〝大盛り焼きそば〟が誕生となるわけです。
もちろん、こんなセッティングは、実際にパッチングをした本人にしか理解できません。
他の者が、「わけわかんねー」っていうのは、やはり当然なのです。
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