「特許侵害認め、「一太郎」「花子」の製造禁止・破棄命令」
うーん、とりあえずジャストシステムは控訴する事を表明していますし、実際に製造・販売等が禁止される状況ではないわけで、勘違いされている方も多いみたいなので、最初に書いておきます。
さて、「一太郎」っていうと、たぶん自分の記憶の中ではVersion 3ぐらいから覚えている。ワープロ専用機全盛時代にパソコンのMS-DOS上で動くソフトウェアとして誕生した、純国産の日本語ワードプロセッサー・ソフトウェア。MS-DOS時代は、他にも国産のワープロ・ソフトが幾つか存在していた。私は“アンチ一太郎”派だったので(笑)、当時はdb-Softの「P1.EXE」というソフトを使っていた。
でも、Windows全盛時代になると、マイクロソフト社製の「Word」が標準でインストールされている機種が多くなり、事実上、ほとんど国産のワープロ・ソフトって日本国内に住む日本人でさえ、あまり使わなくなってきたように思う。純国産で今だに頑張っているのって、一太郎とEG Wordぐらいか?
元々、英文ベースで開発されているソフトと、初めから日本語ベースで開発されているソフトなら、やはり後者の方が有利なはずなんだけど、WindowsというOSと同化しつつある「Word」を使わなくてはいけない状況を、マイクロソフトが作り上げてしまった。(だから、何かと独占禁止法絡みで訴えられてるわけですよねぇ)
今回の問題、ジャストシステムの言い分には、ちょっと説得力が弱いのですけど、判決内容で「アイコン」の定義について述べているようですけど、これはちょっと違うように思う。確かアメリカでも「アイコン」の定義と特許絡みの裁判があったと記憶しているのですけど、その時は「アイコン」に特許を適用するのは不可能という感じの判決が出ていたように覚えている。(違ったかな?)
ジャストシステムの「アイコンは移動ができ、デスクトップ上にあるものを指し、一太郎や花子の画面上のボタンはアイコンにあたらない」という主張と、裁判長が「表示画面上に各種データや処理機能を絵や絵文字として表示し、コマンド(指示、命令)を処理するもの」と言うのも、なんだか凄く的外れ的に思うのですけど、どうでしょう?
ジャストシステムの言う、「一太郎や花子の画面上のボタンはアイコンにあたらない」って、ちょっと苦しい言い訳(^^;;。そういうものを「アイコン」と言うわけです。でも、もっと的外れなのが裁判長が定義している中で、「コマンド(指示、命令)を処理するもの」。これは明らかに間違いであり、根本的な認識が間違っている。「アイコン」そのものに、何かしらの処理をする定義なんて無い。あくまでも、「アイコン」はユーザーに抽象的表現で情報を伝える手段であって、実際の処理は別の部分が担当している。
「アイコン」って、パソコンに関わらず色々な生活の場面で利用されている。特許があるからといっても、特定の企業や個人が「アイコン」を支配するなんて、凄くおかしい。
まぁ、なんというか、こういう特許絡みの裁判って、今後も増えそうですよね。特に今回のような、大企業が中小企業や個人を訴えるケースって増えそう。大企業の論理っていうかなんというか、、、ただ、こういう事が多くなると優秀な人材も育たないし、新しい発明が生まれてくる土壌っていうんですかね、そういうものが無くなっていってしまうように思う。
ジャストシステムも控訴をして争っている間に、問題になっている部分を全面的に作り替えたバージョンの一太郎を開発するんじゃないかと思うんですけど、、、まぁ、私は今でも“アンチ一太郎”派なので(笑)、一太郎を使う事は無いでしょうけど、ちょっと頑張ってもらいたいですねぇ、ジャストシステムには。
P.S.
ところで、松下電器産業株式会社からのニュース・リリースって、サイトに無いんですかね?
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