映画『Winny』

Movie

47氏

なんとも懐かしい。。。
映画『Winny』、観て来ました。

この事件をリアルタイムで見て来た者として、「映画化?、マジか」と思って、こりゃ観てみたい、と思ってました。

良い映画、観たな、と。
そして、一言で感想を言うのであれば、

「無知が天才を捌こうとした愚の骨頂」、だな、と。
当時もそうだったけど、改めて思った次第。

個人的に泣きそうになったシーンがあって(笑)、思えば金子さんって1970年生まれ、私と同じ歳なんですよね。
映画の中で、子供時代の金子さんのエピソード的な回想シーンがあるんですけど、その風景が、まさに私も体験して来たシーンそのままだった。

私がパソコンに興味を持ったのは小学生5,6年生の頃で1980年ぐらい、まだ「マイコン」という呼び方が普通だった時代。「パソコン(パーソナルコンピュータ」という言葉は、新しい言葉でした。
中学1年生で、初めてMZ-1200というパソコンを手に入れて、独学でBASICとか勉強してプログラム書いて、簡単なゲームとか作ってた。

たぶん小学生の頃という設定のような少年の金子くんが本屋に行って、パソコン雑誌に載っているプログラム(記述はBASICでした)を眺めるシーン。本棚に並ぶ当時のパソコン雑誌。I/Oや月刊マイコン、マイコンBASICマガジン(ベーマガ)等々、、、その全てが私自身も本屋に行って手にしていた雑誌ばかり。
そして、その足で電気屋さんに行って、店頭に置いてあるパソコンに向かってプログラムを打ち込んで試して遊ぶシーン、、、これも私は日本橋のお店の店頭とかで、文字列とか、どばーって表示するような簡単なプログラム打って走らせる、なんていうイタズラっぽい事をやっていました。

金子さんの少年時代の回想シーンは、私もリアルに体験していた事で、見ていた風景が一緒だった事に、なんともいえない気持ちになってしまった。

Winny事件は最高裁で無罪が確定した事は承知の事実ですが、ここはちょっと映画のネタバレ的になる話ですが、、、

映画では一審の裁判のみがメインで描かれ、最高裁で無罪が確定するシーンは一切、ありません。
一審の有罪判決後、一呼吸おいて、突然、7年後のお葬式のシーンに飛びます。
金子さんは無罪判決確定後、その1年半後に42歳でこの世を去ります。

〝無罪が確定した〟という重要なシーンが出て来ない。
(映画のラストに字幕で表記されるのみ)

裁判で争った7年半の間に、世界は(主にアメリカですけど)インターネットを舞台にしたビジネスで、どれほどの産業が発展したのか。その間、日本は何をしていたのか。

〝無罪〟が刑事裁判のゴールではあるかもしれないけど、この7年半の間に失った日本の技術は、そんな無罪の一言では済まされないほどの損失だったような気がして、無罪が確定したシーンを映画の中で観れなかった、このモヤモヤ感が残っている次第。

そして、映画が始まる前のお決まりの〝no more 映画泥棒〟がWinny本篇前に流れる、この皮肉

ChatGPTMidjourneyStable Diffusion (DreamStudio)のようなAIサービスが話題になり、「けっこうヤバいレベル」に達しようとしている中、国の法律も国際的な基準も置き去りにして、技術が爆速で進化している今、世の中に100%正義の技術も無ければ100%悪の技術も無くて、それらが混ざりあった状態で常に技術は進歩していて、開発者だけでなく、それらを利用するユーザー側も試されているんだな、と。

P.S.
Winny事件当時から、既にMacユーザーだったので、このWinnyは利用した事は無いのですが、Macユーザーなら知ってるであろうLimeWireは使用していました。ある意味、初めて「インターネットすげー」って実感したのはLimeWireの体験だったかもしれません。

コメント

タイトルとURLをコピーしました