今回のパッチングはモジュラーおじさん定番にしてワンパターンにして十八番よろしくPingサウンドを、VCV Rack2で再現してみました。
実際のライブでは、Gate生成をHikari Instruments Eucrhythmモジュールを使用して、Pingサウンド音源にはRandom*Source Serge Variable Q Filter (VCFQ)モジュール、たまーにサブでHikari Instruments Ping Filterモジュール、PingサウンドのCVコントール用にXAOC Devices Zadarモジュール、それまではDoepfer A-149-1 QUANTIZED/STORED RANDOM VOLTAGESを使っていました。
これらの組み合わせでリアルモジュラーシンセのライブでPingサウンドを奏でています。
少し話が脱線しますが、元々このPingサウンド的な音との出会いは偶然というか、これもモジュラーシンセでライブをやり始めた頃、Doepfer A-155 ANALOG/TRIGGER SEQUENCERモジュールからのCVを、同社A-127 VC TRIPLE RESONANCE FILTERにパッチングして使用していた時に発見しました。
A-127の各チャンネルのレゾナンスを最大にしてフリケンシーを最小、所謂、フィルターの自己発振状態にした上で、A-155から各2トラックそれぞれのCVを、A-127の1,2番のCVインにパッチング。この時、A-127側の各チャンネルのLFOはゼロ、CVアッテネーターのツマミは最大。A-127の3番は、とりあえず使用しないのでAudioアウトのボリュームをゼロにしておいて、MIXアウトからミキサー経由で空間系エフェクト掛けると、「♪ポーン」という綺麗なサイン波の単発音が発生、A-155のツマミの具合で、低域から高域まで独特の響きで、これだけ白ご飯おかわり自由、みたいな気持ちよさで、よくライブで使用してました。
(A-155とA-127だけで、ほぼ84HPの1列が埋まるのが難点でしたが、、、)
そんなサウンドの元祖的なモジュールが、本家SERGEモジュラーにあったわけで、その公式ユーロラック版が、今現在のライブで使用しているSerge Variable Q Filter (VCFQ)となります。
Gate生成やCVコントロール系モジュールについては、お好みで選んで頂ければと。
なかなか、このような響きをしてくれる単体モジュールって、選ぶほど無いんですよね。個人的に何時までも聴いてて飽きないサウンドで大好きです。
さて。
VCV Rack2では、なんとSerge Variable Q Filter (VCFQ)のクローンがあります!!
って事は、既に完璧なのでは?、という胸熱な期待感でパッチングしてみました。
VCV Rack 2 : Live set Introductory Ping Sound
【 使用モジュール 】 mscHack ・MIX 4 Channel VCV ・Scope x 3 ・Audio 2 Surge XT ・Delay ・Reverb Patchable Devices ・Nonlinear Integrator Impromptu ・Clkd Audible Instruments ・Random Sampler
Patchable Devices〝Nonlinear Integrator〟が、まんまRandom*Source Serge Variable Q Filter (VCFQ)のクローンですね(笑)
ただ、実機と同じようなセッティングにしても、似たような感じにはなりませんでした。実機であればレゾナンスを最大にしておいて、フリケンシーをセンターぐらいから調整するのですが、このクローン〝Nonlinear Integrator〟だとレゾナンス最大だと普通にフィルター自己発振系に近い状態でPingサウンドとしては破綻してしまったので、そこは調整してみました。
Impromptu〝Clkd〟で基本となるクロックを決めて、Audible Instruments〝Random Sampler〟(これは実機Mutable Instruments Marblesのクローン)のGate側(左)とCV側(右)にパッチングして、クロックに合わせてランダムなGateとCVを生成。
そのランダムなGateとCVの出力を〝Nonlinear Integrator〟に繋いで、ランダムなタイミングでPingサウンドが発動、更にランダムなCVでフリケンシーを動かして音色変化も付けています。
後はお好きな空間系エフェクトでトリップさせましょう。
Pingサウンドを発動させるGate信号と、ランダムに音色変化させるCV信号について、今回は〝Nonlinear Integrator〟を使用しましたが、ここもお好きなモジュールに差し替えて、色々と試してみると面白いと思います。
ちなみに実機Serge Variable Q Filter (VCFQ)と比べると、レゾナンスの掛かり具合が違う感じがするので、アタック感に出る絶妙な、そして丸いレゾナンス感が薄いかなと思うのと、低域は出ない感じがしましたが、雰囲気はかなり良いレベルだと思うので、なかなか「えぇ感じ」な音を出してくれていると思います。
Audioの最終アウトを〝VCV Audio 2〟としています。使用されるPCのAudio環境に合わせて、〝VCV Audio 2〟の設定をして下さい。上部、黄色い文字をクリックすると、PC側のAudioアウト一覧が出ます。
VCV Rack 2 : Live set Introductory Similar to Ping Sound
【 使用モジュール 】 mscHack ・MIX 4 Channel VCV ・Scope x 3 ・VCF ・Audio 2 Surge XT ・Reverb Impromptu ・Clkd Bogaudio ・LLPG Audible Instruments ・Random Sampler
こちらのパッチングは、Serge Variable Q Filter (VCFQ)やPing FilterのようなPingサウンド生成機能が無いモジュールだけで、Pingサウンドっぽい雰囲気を再現してみました。
音源となるサイン波は別にVCO等でも良いのですが、あえてVCV〝VCF〟フィルター自己発振からのサイン波を使用しました。そして問題は、あの独特の響き具合。ここはBogaudio〝LLPG〟というLow-Pass Gateモジュールを利用して、エンべローブ系を使用せず、元々のパッチングと同じくGate信号から直接、音が鳴るようにしてみました。
Low-Pass Gateは、一般的なシンセには無い機能で馴染みがない感じだと思いますが、名前の如くGateが入った瞬間、Low-Passしてくれる、そんなモジュールで説明にはよく「VCFとVCAが1つになった」なんて書いていたりします。
Gateが入った瞬間にフィルターが発動、つまりフリケンシーが上がって、徐々に下がります。レゾナンスは固定だったり、可変出来るタイプもあります。
面白いのが、フィルターが発動してフリケンシーの上下運動がコントロール出来なくて、そこはモジュール製作側の思想に委ねられている点で、その為、同じモジュールでも個体差が大きかったり、ブランド(メーカー)でも挙動が違ったり、とても個性が出るモジュールです。
ただ、音量を明確にコントロールしているわけではなく、あくまでフリケンシーの上下運動による音量変化でもあるので、フリケンシーが最小の場合(Gateが発動していない状態)でも、音が少し漏れている場合もある為、完全に意図しない場面では音を止めたい時には使用が向いて無かったり、後段に別途VCAとエンべローブ等での音量調整が必要だったりで、ある意味扱いにくいモジュールかもしれません。
ただ、VCV Rack2の、今回使用した〝LLPG〟モジュールは、音漏れしている感じでもなく、そこはソフトウェア版という強みとでもいいましょうか、そこまで真似る必要も無いとは思うので扱いやすいと思いました。
VCV Rack2には膨大のフィルター系モジュールがあるので、色々と差し替えるだけでも、音の雰囲気が変わるのでは無いでしょうか。その反面、VCV Rack2でもLow-Pass Gateモジュールは種類が決して多くは無いですね。やはりマイナーな存在なのでしょうか。
でもPingサウンドの再現度みたいな事で言うと、これはこれで好きかも。。。(笑)
Audioの最終アウトを〝VCV Audio 2〟としています。使用されるPCのAudio環境に合わせて、〝VCV Audio 2〟の設定をして下さい。上部、黄色い文字をクリックすると、PC側のAudioアウト一覧が出ます。
引き続き、動画を撮ったりして記事をアップしようと思います。。。(遠い目)
VCV Rack関連の記事は以下にまとめています。
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