KAZ a.k.a.HIGE is Famicom

Diary

chiptune界の妖精こと、KAZ a.k.a.HIGE。
HIGEさんが、あっさり天国にファミコン抱えて逝ってしまった。

今年、1月に福間創さんが亡くなられた事を知ることになって、なんていう年の始まりなんだろう、と思った。福間さんとは同じ歳だったんですよ。。。

そして、この年末。まさか、HIGEさんが、、、私より5歳も若いのに。
みんなに好かれて、みんなに心配かけて、みんなにバカヤロウって言われて、旅立ってしまった。

私の企画したイベントに出演してもらった事がある、お二人がいなくなっちゃった。
そんな事ってある?

最後の最後に、私も新型コロナウイルスに感染、陽性判定を受けて自宅から思うように外には出られなくて、もし普通に元気だったら、HIGEさん馴染みの店に行きたかった。。。

早すぎるよ、みんな。


HIGEさんと直接、会った最初って、たぶん2009年だったと思うんですね。なんか、それ以前から「ファミコンでDJする面白い人がいる」っていう噂ぐらいは聞いた事はあったのですけど、この時に初めて生で本物のファミコンを使って、本物のファミコンサウンドでDJというのを体験して、とにかく衝撃でした。

こんな事が出来るんだ、こんな事やってる人がいるんだ、そして知ってるはずのファミコンの音が、本当にヤバいぐらい音圧があって、カッコいい音だった。

2009.04.05 Kyoto Kamogawa River RAVE

たぶん、次にHIGEさんに会ったのは、この2年後ぐらい。
神戸テクノポップミーティング(神戸テクミー)に遊びに行ったら、HIGEさんがファミコンDJしてた。

この頃には、「白衣でモジュラーシンセでライブやっている、変なおっさん」って、知ってくれてました(笑)

HIGEさんはゲームミュージック、所謂〝VGM〟系のジャンルや、8bitピコピコな〝ChipTune〟系ジャンルのスタイル、私はモジュラーシンセなので、どちらかといえば電子音楽系なので、こうやって、たまーにイベントで観る事はあっても、イベントでご一緒する機会はありませんでした。

ですが、いきなり関西において〝ChipTune〟の聖地ともいえる、京都cafe la siestaで開催されていた、これまたゲームミュージック&ChipTune界隈の登竜門?『1H1D!!! -ゲームは一日一時間!!!』からお声が掛かり、なんとゲーム音楽メインのそれもチップチューンなメンツが揃う中、私だけモジュラーシンセという形で出演する事になったんですよね。

この時は驚いたというか、「どうしよう」って(笑)
とりあえず「全部の音、矩形波縛りでいこう」って(笑)

まだメジャーデビュー前だったTORIENAさんとご一緒する形にもなってしまってるのが、今となっては良い思い出と言いますか。。。フライヤーには、なんか色々と差し置いてメインACTな表記になってて、恐縮するばかりでした。

2014.03.09 1H1D!!! -ゲームは一日一時間!!!- vol.33

それからしばらくは、またご一緒する機会も無かったんですけど、たぶん何回かはHIGEさんのDJを観たり、という機会があったと思う。1H1Dとかにも遊びに行ってたしね。

次にイベントでご一緒したのは、たぶん2018年になってから。
『バチ上げバチあたり』という、異次元の出演者というか〝猛者〟ばっかり集めました、みたいなイベントでHIGEさんとご一緒したんですよね。

この時、どう考えても「モジュラーシンセのライブが一番普通で面白くなさそう」と思ったので、初めて「モジュラー漫談」やったんですよ。所謂ライブをやらずに、モジュラーシンセあるある話みたいな事をやった。

このメンツなら、それぐらいでバランス取れるんじゃないかと思ったんですよ(笑)

2018.02.17 バチ上げバチあたり

続いて、初めて私の方からHIGEさんに出演オファーしたのが、同じ2018年の『GAMO SONIC 2018』でした。私が住む地元、蒲生四丁目界隈で2015年から始まったイベントだったのですが、音楽好き、それもテクノや電子音楽が大好物という店主が営む、音響面もちょっとしたクラブ並(現在、サブウーハーまで完備)で、店内BGM用機材がCDJセットという和食居酒屋があって、そのお店が会場の一つとして参加をしていました。

2018.03.18 GAMO SONIC

そこに今回、HIGEさんも出てもらったんです。

2018.03.18 GAMO SONIC

2019年になって、私がシリーズで企画しているイベント『電音ハッカーズ』で出演してもらえる事になりました。今回のテーマが〝ゲーム音楽〟だったので、これはもうHIGEさんにファミコンDJやってもらうしかない、と思って。

2019.07.13 電音ハッカーズ vol.8

9月には、『GAMO SONIC』や『がもよんフェス』の会場として参加している、和dining DANDANさん10周年イベントを開催して、再びHIGEさんにも参加して頂いた。

2019.09.22 和dining DANDAN 10th Anniversary after party

そして新型コロナウイルス感染のパンデミックワールドへようこそ。。。

2022年、そう今年。
夏に久しぶりHIGEさんと会った。

2022.08.06 VGM boilerroom (この時はファミコンではなく、普通にCDJのプレイでした)

久しぶりに会うHIGEさんは、何処となく元気がなさそうに見えた。
今年に入ってからプライベートで色々と大変な事もあったと風の便りでは聞いていたので、それで元気ないのかな、と思ってた。

でも、今から考えたら、そうじゃなかったんだよな、と思う。

11月、3年ぶりに有観客で開催となった地元音楽祭『がもよんフェス』に出演してもらった。

2022.11.13 GAMO4 Fes 2022

HIGEさんと会うと、明らかに様子がおかしかった。
全く〝生気〟が感じられなかった。

驚いて「どうしたんですか?」って、思わず聞いちゃったぐらい。そしたら、「いやぁ、朝3時まで呑んでてさあ」って、いつもの調子だったけど、、、絶対、何か変だよ。

そして。

この時が、HIGEさんとの最後のイベントになってしまった。


その後、心配だったのでメッセージとか送ってた。
とにかく無理しないように、って。

11月下旬、HIGEさんが緊急入院という話が舞い込んできた。
「えっ?!」って思ったけど、実のところ「良かったー」って思った。

これ以上、体の状態が悪くなる事は無いだろう、と。
とにかく入院で体調を整えてもらえたら、と。

12月13日
退院しましたって、HIGEさんからメッセージが来ました。

12月22日
Barフェーダーに会社帰りに立ち寄って、マスターにHIGEさんの事を伺ったら、「バイト始めたらしいよ」って、なんかちょっとホッとしたのに。

12月30日

あんまりだよね。
みんな、完全復活を待ってたのに。


HIGEさんとは、そんな沢山とHIGEさんの出演するイベントに足を運んだ事もないし、イベントをご一緒したというのも、ここに記したぐらいしかありません。

そんな中でも、イベント出演のオファーにも二つ返事で快諾してくれたり、少ない出演料をお渡しした時も「じゃあ、店に金おとしていくか」って、そのまま呑んだくれたり。

自分の出演が終わった後、しばらくすると全く違う会場に遊びに来てたり。

会うたびに「殺す」って言われて、「いい夢見ろよ」って言われたり。

あの風貌に、光るゴーグルと知る人ぞ知るパワーグローブを装着し、本物のファミコンでDJする、唯一無二のパフォーマンス。

それでいて、人懐っこくてお茶目。

HIGEさんを悪く言う人なんて、誰もいないと思う。
愛されキャラだ。

SNSにHIGEさんの思い出話が溢れかえってたよ。
HIGEさん馴染みの店、Barフェーダーcafe la siestaには、みんな集まって乾杯してたみたいだよ。

私も新型コロナウイルス陽性判定でなければ、駆けつけたかった。

ゲーム音楽という〝音楽〟のジャンルから、DJやライブで楽しむ〝イベント〟というジャンルを築いていく中で、KAZ a.k.a.HIGEというヒゲ親父は、間違いなくその中心にいた人物だと思います。

47歳、若過ぎます。
残念しかありません。

最後に、YouTubeにアップされているHIGEさんの動画の中で、お気に入りを幾つか紹介しておきます。
もしHIGEさんのファミコンDJ未体験の方は、ぜひ楽しんで下さい。

この時の本編を観ていないのですが、この手前に被っているVJ映像って、削除回避の為の後付けですかね?
HIGEさんの過去が赤裸々に(笑) 注:音声のみです

思い出せる事だけ、書き殴ってみた。まだ記憶の奥底に色々とあると思う。

HIGEさん、遊んでくれてありがとう。

P.S.
超個人的な願望ですが、、、
願わくは、HIGEさんのファミコンDJを引き継いでパフォーマンスしてくれる方が現れたら、と思ったりしています。

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