矩形波、ノコギリ波、三角波、正弦波を同時出力できるオシレーターです。
A-110 Standard VCOも同じ4種類の波形を同時出力できますが、このA-111はHigh End.と名の付くとおり、A-110には無い機能が搭載されています。
まずFineノブが付いているので、ピッチの微妙な補正が可能です。FM(周波数変調)も、A-110でも可能なビブラート等に使う一般的なFM変調以外に、YAMAHAのDX-7等に搭載されていたリニアFM変調も可能となっています。
オシレーター・シンクに関しても、ハード&ソフトという2種類のシンク方法が可能となっています。A-110のハード・シンクは、マスターVCOのプラス方向のみに対してのシンクなのですが、このA-111はマスターVCOのプラスとマイナスの、両方でシンクするので、より複雑な音を作る事が出来ます。
そして最大の違いといえば、A-111にはCurtis製のCEM3340というチップが搭載されている事でしょうか。Propheat 5などにも搭載されていたチップで、オシレーターのピッチ等で非常に安定させる役割を持っています。
逆にA-110にはPWM(パルス・ウィズ・モジュレーション)へのCV入力が2つ搭載されていますが、A-111には1つしかありません。
音自体は癖の無い、素直な音かな、と思います。凄く太いわけでもないし、かと言って細いわけでもない。基本に忠実なアナログ・オシレーターですね。CEM3340チップを使っているので、A-110より価格が1万円ほど高い設定ですが、CEM3340チップ自体が品薄のため、今後は製造台数が減る可能性があります。そういう意味では、コレクターズ・アイテムというか(笑)、在庫があれば無理してでも買っておきたいモジュールですね。FMやシンクもA-110より充実しているし、「A-110には何故、無いのか?」と疑問に思うFineノブも付いているから。それに安定度もCEM3340チップのおかげで良好だしね。 |