Modular Council Tittle
Doepfer社A100 Analog Modular Synthesizer Systemを使った、「モジュラー入門」ページ。

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第四回目 : お手軽キック

唐突ですが、キック(バスドラム)の音を作ってみましょう。

「えー、そんなん、どんなシンセを使っても、それなりに簡単に作れるやーん」

、、、って声が聞こえてきそうですが、、、そこはモジュラーらしくというか、タイトルのように「お手軽」にキックを作ってみましょう。

では、早速、パッチング図を、、、


図8図8

はい、たったこれだけです(笑)

もちろん、沢山のモジュールを使って、沢山のパッチングをして、、、それこそ、音のアタックとディケイとリリースの部分を個別に作って、、、とか、幾らでも複雑な事は使うモジュールを増やす限り可能ですが、ここは「お手軽」という事で、たった3基だけのモジュールを使ってみました。

使用しているモジュールは3基ですが、音作りそのものに影響しているモジュールはA-140とA-110の2基だけです。

では、パッチングを観ていきましょう。

まず、A-145ですが、これは音作りとは直接関係はありません。
A-145の矩形波でA-140のエンベローブをトリガーするのに使用しています。テンポは遅めにしておくと良いでしょう。

A-140は、A-145からトリガーを受けてエンベローブを発生させるわけですが、とりあえずA=0、D=5、S=3、R=0程度にセッティング。Time Rangeスイッチも、とりあえずMで。そして、A-140のアウトをA-110のCV 2にパッチング。

A-110のCV 2は、6〜8ぐらいに。使用する波形は、三角波かサイン波が良いでしょう。

さてさて、どんな音が出てますか。

ピッチが高ければ、A-110のRangeツマミでオクターブを調整してみて下さい。
音を出しながら、A-140のADSR各ツマミを色々と動かしてみて下さい。場合によっては、A-110 CV 2ツマミも動かしてみて下さいね。

かなり劇的に音が変わると思います。

ピューンというS.E.っぽい音から、ドォンドォンと低音の効いたキック系の音まで。

エンペローブをオシレーターに掛けるという手法自体、特別に珍しいわけでもありませんし、パーカッション系の音を作る手段としては王道的な事ですが、フィルターもアンプのモジュールも使わずに、たったこれだけでなかなか良い感じの音が飛び出して来ます。

その秘密は、やはりエンベローブです。

A100シリーズのエンベローブ、A-140等はTime Rangeスイッチが付いていて、ゆったり掛かる感じから、瞬時に掛かって終わるという高速エンベローブまで3段階の調整が出来ます。

パーカッション系の音を作る時、オシレーター自体のアタック部分で急激なピッチ変化が欲しいわけですが、これがなかなか良い感じにならない事が多いんですよね。
試しにRoland SYSTEM-100Mで、全く同じパッチングをして調整してみましたが、A100ほど鋭いアタック感のあるキックにはなりませんでした。

そんなわけで、A-140のエンベローブは単に時間軸の変化だけに留まらない、モジュレーション・ソースとして利用できます。

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